チェルシー超特急!
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ガク姫桜
季節ネタは思いついて急いで書くのが多いです。
あとで修正してサイトに載せるかもしれません。
桜のころ、約束の場所で(仮)
姫乃を連れて目指しているのは、
俺がいつか、秋か冬の日に見つけた桜の木。
「寒いうちに見つけて覚えてるなんて、すごいね。」
「君が花なら、俺は桜の幹なんだよ」
姫乃はその意味をすぐには分からなかったし、
俺も上手く説明できなかったが、とにかく歩くのが楽しい。
壁を抜けたり宙に浮いたりしないで生者の歩調に合わせると、
それだけ遅くなるが、
でも姫乃と歩く時間は俺にはいくらあっても長過ぎることはない。
通りがかった寺の中から、説法が聞こえてくる。
亡くなってからも魂は悟りの世界へ向かって…。
関係のない話だと思った。
俺が望む事は、悟りどころか、血気盛んな生者とまるで変わらない。
生きているうちにしたかった事の、決して理想通りではない、実現だ。
生きて出会いたかったが、今よりずっと独り善がりだったあの頃の俺では、
姫乃の隣にいられなかったかもしれない。
心の脆さが、人生の短さに間に合わなかったのだ。
叶った夢もある。
必要としてくれる人がいて、守るべき存在がいる。
では、「無償の愛」は?
俺の魂を捧げた人が今、隣にいる。
けれど俺は、どうしてもこの女性に対して欲張りになってしまう。
今だって、桜ではなく、桜を背景にした姫乃が見たい。
桜を眺める姫乃の笑顔が見たい。
願わくば、それ以上のことを…。
(わがフィアンセよ許してほしい、だって俺は男だから。)
到着した。
予想通り、満開のときにここに来ることが出来た。
桜の木は、花のない季節にも変わらずそこにある。
しかし花が素晴らし過ぎて、その時しか意識されないのも
仕方ないかもしれない、とも思う。
輪廻だの永遠だのがあるか知らないが、
魂が桜の幹のようなものだとしたら、
命ある君はまさに開花の季節にいる。
偉い坊さんや高名な宗教学者はオレたちの姿が見えるものだろうか?
もし俺をみつけたら、
なすべき事は生者の真似事ではないと咎めるだろうか?
誰にもその立場でするべきことがあり、
何を為すにもそれに相応しい時があるとしたら?
風が吹く。彼女の背景に淡紅色の花弁がふぶいた。
――時は、今。
「ひめのん、目を閉じて」
姫乃を抱きしめ、彼女の唇に自分のそれを押し当てる――。
そういう動作をしただけで、触れることは出来ないけれど。
顔を離すと、姫乃は桜色に頬を染めていた。
「か…かわいい…。ふつうにキスをされた時みたいだ」
「やだ」
ぷいと横を向かれて不安になったが、その不安感はすぐに晴れた。
「私には、ガクリンが幽霊でも、ふつうの…キスと同じだよ」
姫乃がたまらなく可愛くて、また抱き合って口づけを繰り返す。
(了)
※ガク姫のキスの話は他にも書きましたが、
どの時点が初めてなのか、特に決めてません。
あとで修正してサイトに載せるかもしれません。
桜のころ、約束の場所で(仮)
姫乃を連れて目指しているのは、
俺がいつか、秋か冬の日に見つけた桜の木。
「寒いうちに見つけて覚えてるなんて、すごいね。」
「君が花なら、俺は桜の幹なんだよ」
姫乃はその意味をすぐには分からなかったし、
俺も上手く説明できなかったが、とにかく歩くのが楽しい。
壁を抜けたり宙に浮いたりしないで生者の歩調に合わせると、
それだけ遅くなるが、
でも姫乃と歩く時間は俺にはいくらあっても長過ぎることはない。
通りがかった寺の中から、説法が聞こえてくる。
亡くなってからも魂は悟りの世界へ向かって…。
関係のない話だと思った。
俺が望む事は、悟りどころか、血気盛んな生者とまるで変わらない。
生きているうちにしたかった事の、決して理想通りではない、実現だ。
生きて出会いたかったが、今よりずっと独り善がりだったあの頃の俺では、
姫乃の隣にいられなかったかもしれない。
心の脆さが、人生の短さに間に合わなかったのだ。
叶った夢もある。
必要としてくれる人がいて、守るべき存在がいる。
では、「無償の愛」は?
俺の魂を捧げた人が今、隣にいる。
けれど俺は、どうしてもこの女性に対して欲張りになってしまう。
今だって、桜ではなく、桜を背景にした姫乃が見たい。
桜を眺める姫乃の笑顔が見たい。
願わくば、それ以上のことを…。
(わがフィアンセよ許してほしい、だって俺は男だから。)
到着した。
予想通り、満開のときにここに来ることが出来た。
桜の木は、花のない季節にも変わらずそこにある。
しかし花が素晴らし過ぎて、その時しか意識されないのも
仕方ないかもしれない、とも思う。
輪廻だの永遠だのがあるか知らないが、
魂が桜の幹のようなものだとしたら、
命ある君はまさに開花の季節にいる。
偉い坊さんや高名な宗教学者はオレたちの姿が見えるものだろうか?
もし俺をみつけたら、
なすべき事は生者の真似事ではないと咎めるだろうか?
誰にもその立場でするべきことがあり、
何を為すにもそれに相応しい時があるとしたら?
風が吹く。彼女の背景に淡紅色の花弁がふぶいた。
――時は、今。
「ひめのん、目を閉じて」
姫乃を抱きしめ、彼女の唇に自分のそれを押し当てる――。
そういう動作をしただけで、触れることは出来ないけれど。
顔を離すと、姫乃は桜色に頬を染めていた。
「か…かわいい…。ふつうにキスをされた時みたいだ」
「やだ」
ぷいと横を向かれて不安になったが、その不安感はすぐに晴れた。
「私には、ガクリンが幽霊でも、ふつうの…キスと同じだよ」
姫乃がたまらなく可愛くて、また抱き合って口づけを繰り返す。
(了)
※ガク姫のキスの話は他にも書きましたが、
どの時点が初めてなのか、特に決めてません。
by rann-no
| 2010-04-09 00:45
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